空き家放置のリスク
物理的な問題
放火の危険性
放火された家の多くは以下の3点が共通しています。
- ゴミや可燃物が放置されている
- ひと家が無く、通行人の目に触れにくい
- 燃えやすい構造である
倒壊の危険性
一般的に空き家は古い物が多く昭和56年の耐震基準の改正前に建てられた建物は耐震性が著しく不足している可能性があります。 また空き家にしてしまう事で構造的に重要な柱や土台が急速に劣化し本来の耐震強度を保てなくなっているケースも多くあります。
損害の危険性
保険ではカバーできない損害賠償リスク
ケース①
老朽化で瓦が滑り落ちてしまい、建物の前を通っていた人に怪我をさせてしまった
ケース②
台風で門扉が飛んでしまい隣の駐車場に止めってあった車のフロントガラスを割ってしまった。
このようにリスクを回避するために建物賠償保険に加入しますが「空き家」の場合は保険に加入できないまたは保険に加入していても保険金が支払われないケースが多くあります。
経済的な問題
維持費の支払い
空き家が遠方にあり、維持管理を業者に委託される場合建物の規模やメンテナンス範囲にもよりますが一般的に月額5,000円~20,000円の費用を負担しなければなりません。
資産の減少
当然ですが建物の価値は時間の経過とともに低下していきます。 残存価値が見込める空き家を相続した場合は少しでも価値高いうちに活用方法を決断する事を推奨いたします
固定資産税の支払い義務
固定資産税の支払いは当然ですが、不動産が「住宅」である場合、特例によって減免されている場合があります。しかし、空き家を放置した結果、「住宅」ではなく「特定空き家」であると認定されてしまうと特例が適用されずに減免されなくなってしまいます。
社会的な問題
不法侵入
空き家が遠方にある場合、いつ誰が建物に忍び込んでいたとしても気づく事ができません。
家主の目が届かない事を知り、無法者が住み着いてしまう可能性もあります。
また野生動物が住み着き建物を傷めたり、糞尿により悪臭を発生させたりする可能性もあります。 またスズメバチや、ムカデなどの有害な生物が住み着いた場合近隣住民を危険にさらしてしまう可能性もあります。
不法投棄
ひとたび不法投棄が始まれば、それに便乗して不法投棄をする人々が次々に集まってきます。 近隣迷惑や他人の不用品処分の肩代わりする事はなんとしても避けたいものです。
行政執行
倒壊リスクや犯罪の現場となる可能性が高いなどで、空き家が地域にとって不健全な要素であると市町村に判断された場合、行政執行により建物が取り壊される可能性があります。
まとめ
空き家をなんとなく放置する事は多くのリスクを背負わなければなりません。 明確な活用目的があり、費用をかけてでも適切な維持管理できれば良いのですが、そうでなければ、一日も早く空き家の今後と向き合い決断していく事が大切だと考えます。